志賀直哉が言った「奈良に旨いものなし」という言葉。
奈良に生まれ、32年間住み続けている私も、その言葉には反論する気さえ起きません。
それほどに奈良の名産と呼ばれる物は食えたもんじゃない。
癖の強い柿の葉寿司、奈良漬け、茶粥など、心の底からうまいと言えるものは皆無。
中には好きな人もいるでしょうが、わざわざ奈良に足を運んで買いに来るという人は稀でしょう。
では本当に奈良にはうまいものがないのでしょうか?
その答えにたいしては、はっきりと言えます。「No」であると。
奈良にはうまい名産こそありませんが、うまい料理を出すお店は存在します。
今回ご紹介するのは、そんな名店の中でも、とっておきのお店です。私が今まで食べた奈良の料理の中で、いや、すべての料理の中で一番おいしいと思えた料理を紹介します。
本当にとっておきです。お店の人にブログ記事にする了解は得ましたが、ある約束をしましたので、その約束も必ず書きます。
なんというか、ここの料理人は、おそらく人ではありません。
神様か、仏様か、そんなところでしょうか。
一言でいうと天才です。こんな素晴らしい料理は食べたことがありません。
ここの店を越える料理には今後出会えないだろうなとも思うし、出会えなくてもいいかなとも思えてしまいます。
それぐらいに美味しいです。
少し前置きが長くなりましたね。
今回ご紹介するのは、ならまちにある「ぽくぽく」というヤマトポークのお店です。
注意:店主との約束は「必ず予約を入れて来店して欲しい」ということでした。
店内のキャパが少ないこと、並ばれると前の道が狭くて車通りや人通りが困難になり迷惑が掛かること、来店されたお客様への配慮などから「必ず予約しての来店」を約束事として記載してください、ということでした。
ぽくぽくの店舗情報
住所/電話/駐車場/アクセス
住所: 〒630ー8363
奈良県奈良市勝南院町23
TEL: 0742-31-2537
駐車場: 目の前にコインパーキングあり
(提携外の為、実費)
アクセス: 近鉄奈良線 奈良駅より徒歩10分
営業日/時間/クレジット
定休日: 火曜日・第一月曜日
臨時休業の情報はぽくぽくさんのブログに記載されています。
営業時間: 11:30~20:00
ただし、急な仕込み等で一時的にクローズする場合があります。
前述しましたが、「必ず電話で予約を入れて来店」するようにしてください。
クレジットカード: 利用不可
メニュー
営業時間中ずっと、お食事メニュー・カフェメニュー共にご利用できます。
ぽくぽくを食べた感想
塩で食べるサクサクとんかつのセット
これが売りのお食事処です。
他にもトンテキのセットや生姜焼きのセット、ヤマトポークを使ったカツカレーがあります。
いずれも120グラム、150グラムなど、ボリュームを選べるのでありがたいです。
医食同源をモットーにしていて、食事の前にはめかぶ茶が出されます。
めかぶ茶には食物繊維が豊富に含まれていて、食事での血糖値の上昇を緩やかにして脂質の吸収を抑える働きがあります。
とんかつも極限までヘルシーな仕上がりにはなっていますが、それでも脂が気になる人には嬉しい配慮ですね。
塩で食べるとんかつのお塩は、フランスのゲランドの塩というものが使われています。
これは100%自然の海塩でヤマトポークとの相性は抜群です。
ぽくぽくさんでは、このゲランドの塩の風味を損ねないように注意しながら、独自のスパイスをブレンドされています。
それがとんかつの旨味を引き立てます。
こちらがとんかつのセット
一口食べるとサクッという音とともに衣の食感が心地よく、噛むと肉の甘みとフワッとした柔らかい食感に塩の辛さが絶妙にマッチ!
ヤマトポークは物凄く柔らかくて美味しいです。ソースを別でもらうこともできますが、断然塩でいただいた方が美味しいですよ。
お吸い物も素晴らしい味でした。
こんにゃく、油あげ、ブロッコリー、わかめ、にんじん、しいたけ、ごぼう、そして謎の麺が入っていて、とっても具沢山でした。
薄いけどもしっかり出汁の味がして、素材から染みだした味もほんのりと上乗せされていました。
小鉢はほうれん草のお浸しでした。
これも素材の味を感じられて、上に乗ったカツオの風味をダイレクトに味わえる上質な味。
こちらは生姜焼きのセットです。
一口食べただけで甘辛い味が口の中に広がり、柔らかな肉を一口噛むと肉汁が溢れ出してまた違う風味に変化する。
肉が口の中から無くなった時、すごく口の中に残る風味が良くて、これ本当に生姜焼きかと疑いたくなってしまうほど。
生姜は、寿司のわさびの様に横に添えられていて、お好みに合わせて量を調節できます。
生姜を付けなくても美味しいし、付けても美味しい!色んな味を楽しめます。
添え物のあげたポテトも最高で、中はホクホク外はカリ!
十八穀米のご飯も主張が控えめで、とんかつを食べても生姜焼きを食べても合うんです。おかわりも自由ですよ。
生姜焼きの最小サイズ、120グラムでも、お腹パンパンになりました。
とんかつは100グラムが最小なので、女性はそれで十分にお腹いっぱいになると思いますよ。
カップルで行く場合は、一人がとんかつを頼み、もう一人はビフテキか生姜焼きにすることをおすすめします。
その方が2倍楽しめますし、2倍幸せを感じますよ。
最後にクドくなりますが、「必ず予約をしてから来店する」ように私からもお願いします。